個人事業主は、原則として年間の売上が1000万円を超えた場合には、課税事業者の条件の1つを満たすことに注意しなければなりません。課税事業者になる場合、税務署へ消費税課税事業者届出書を提出する必要があります。
課税事業者になると、売上に対してかかる消費税を税務署に納税する義務が発生します。
さらに、チラシやホームページなどで宣伝活動を行う際、価格表示に税込価格を表示しなければなりません。
ただし、2017年3月31日までは、経過措置として条件付きで免除されることになっています。
他にも、記帳するうえでも、消費税が発生する取引とそうでない取引を区別して記帳し、帳簿を保存する義務が生じます。
このように、個人事業主と1000万円という数字は、非常につながりがある数字ですが、面倒な事ばかりではありません。課税事業者には、消費税還付制度があります。これは、税務署に納税した消費税より設備投資等で支払った消費税が多かった場合に、その差額の消費税分が返還される制度です。免税事業者には適用されない制度なので、大幅な設備投資を望んでいるなら、売上が少ないうちから、敢えて課税事業者としての届出を済ませてしまうことも戦略の1つです。
逆に、課税事業者になりたくない場合には、法人化してしまう手もあります。
法人化すれば、売上額にかかわらず1年間は免税事業者として振る舞えます。さらに、2年目も上半期の売上が1000万円未満であれば、納税事業者として認められます。